雑記

その時々で、適当に書いてきます。

分かった気にならない謙虚さと、分かろうとする真摯さと

コミュニケーションって難しい。ありきたりだけど、改めてつくづく思う。人は人に分かってほしいと思う割に、相手のことは分かろうとしない。相手に何かを求めている時ほど、自分も同様に求められているとは夢にも思わない。

『ふたりでひとつになれちゃうことを  気持ちいいと思ううちに  少しのズレも許せない  せこい人間になってたよ』というのはB’zの有名すぎるワンフレーズですが、自分と違うということを受け入れられず、自分と同じであることを求めてしまうのは、人間のサガみたいなものなのかもしれない。

『自分と他人は違う』という言葉の重たさたるや。当たり前だろと一笑に付したくなるが、腹の底まで得心して生きるのは本当に難しい。自分の感じ方や見方は何一つ当たり前ではなく、自分が信じられない生き方や考え方がいくらでもあるということがなかなか受け入れられない。

『わかりあえない』という前提からコミュニケーションを立ち上げよう、っていう平田オリザさんの本は今でもすごく心に残っていて、『わかりあえる』ことを期待するから、すれ違うと傷つく。わかりあえなかった一つ一つの誤差が傷になって、刻まれていく。けど、『わかりあえない』という前提に立てば、一つ一つの共感が喜びになる。スタート地点を変えるだけで、こんなにも世界の地平は広がるのかと衝撃を受けたけど、本当にその通りだな、と。

 

こんな御託を並べていても、毎日時間を共にしている同僚の心情がまったく分かっていなかったりするし、無意識のうちに『わかってわかって星人』になっちゃってることもあるし、本当にややこしくて難しい。

けどやっぱり同じ温度感と距離感で物事に向き合えた時の喜びとか、本当に大切にしたい「モノ」や「コト」が通じ合った時の幸福感とか、かけがえがないなぁと思う。それだけで『生きていてよかった』と思えるだけのエネルギーを与えてくれる。

ありがたすぎることに、そう感じさせてくれる仲間やお客さんに本当に恵まれていて、返さなきゃいけないものがたくさん、たくさんある。

今すぐに返せるかは分からないけど、目の前の人が何を見ていて、何を掲げていて、何を抱えているのか、一人一人のひとつひとつに真っ直ぐに向き合う生き方をしたいな、と。

そのためにも、分かった気にならない謙虚さと、分かろうとする真摯さを大切に、日々を過ごしていきます。